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2011年7月18日 (月)

富士山

一昨日から昨日にかけて富士山に登って来ました。

去年の暮れ、職場の仲間たちと忘年会で飲んでいたとき何気なく「来年は富士山に登ろうか。一生に一度は富士山に登っておきたいね。」なんて話になってさぁ大変。

登山の造詣も深いRAJYAさんに相談したりして隔週で訓練登山の計画を立てて7月の16日の3連休に決行の段取りにしていました。このブログが突然2週間に一度は登山ブログになっていたのはこの事が発端です。

今回の富士登山はパックツアーを申し込みました。

大阪からバスで富士山五合目まで行ってガイド付きで登頂下山してバスで大阪まで帰るプランです。途中8合目の山小屋到着が16日の22時。3時間ほど仮眠して山頂アタックの結構ハードな行程です。

16日の朝7時に難波発のツアーバスに乗り込みます。梅田でOさんが乗り込んできて富士山スバルライン五合目に向けてバスはひた走ります。今回はOさんと私の2人での登山です。

ツアーの参加者は若い人が圧倒的に多くて9割位は20台で男女半々位。7割位がカップルです。これまでの登山では山で見かける人は私たちより年配の方が圧倒的に多かったので随分新鮮な顔ぶれです。バスは左右2列の座席が前から13列続いて13列目の最後列は5人掛けで満席なので、53人のツアーです。

登山のスタート地点、富士山スバルライン五合目には17時に到着。パックに付いている夕食はこれから富士山に登るにしては随分軽めの内容です。

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17時30分に登山口集合。ガイドさんの話では長年ガイドをしているけど全員登頂したことは1回も無いそうです。

17時50分にいよいよ登山開始すると、良い方の誤算が一つ。登り出してしまうと富士山自身は見えないので大して景色は良くないのだろうと思っていたら、何の何の五合目、標高2,300mで既にこの素晴らしい眺望です。右上に見えるのが河口湖。

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1時間30分程登って六合目を過ぎた辺りで完全に陽が落ちてオレンジ色の月が昇ります。ガイドさん曰く「こんなに良い天気で風も無く暖かい日は富士山では本当に珍しい」

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六合目の標高は2,400m。そこから少し登ったこの辺りの標高は約2,500m。頂上方面を目上げるとほぼ一直線に点々と山小屋が並んでいて窓の灯がこちらを見下ろしています。ガイドさんが「今日の仮眠はあそこの小屋です。」と指し示す小屋は意外と近くに見ます。

この日の仮眠施設「白雲荘」は標高3,200m。ここからは700mの標高差なので、東京スカイツリーのてっぺんからもう少し、50mほど先と同じくらいの距離を眺めていた事になります。

●富士山は休火山

富士山は火山なのだと実感しました。サイコロから卵位の大きさに砕かれた軽石が10cmほど積もっている道といかにも溶岩が固まったような岩石の道。水の無い赤茶けた山肌の所々に低木が張り付いています。六合目を越えると登山道全行程で樹は見えなくなり、見上げるとこれから登るルートが見渡せます。皆さんが点灯したヘッドライトが数珠繋ぎで八合目の山小屋集落に向かって繋がっていきます。振り返ると下に向かって同じようにヘッドライトが続いています。

●高山病

高山病の症状は「頭痛」、「めまい」、「吐気」と言います。七合目2,700mを越えた辺りから僅かに「頭痛」、「めまい」が出始めました。酸素ボンベを持って上がっていたので吸飲してみたのですが殆ど効果はありません。ガイドさんが登山開始前に「休憩時の深呼吸が最も大切。高山病は酸素不足が原因で大きく10回深呼吸したら酸素ボンベは全く必要ない」と言っていたのは半分本当です。酸素ボンベは要らないけれど、高山病が治まるほどでもありません。めまいで脚がふらついて宙を踏んでいるようです。

ハンガーノックは体力に大きなダメージを与えることは痛い経験で熟知しているので途中の山小屋でバナナ、アンパン、スナック菓子を買って補給しながら慎重に登攀します。

●八合目

21時30分に標高3,100mの八合目到着。私にとって標高2,600m以上は未知の世界です。空気が薄いので少しの登攀でも息切れがします。ここ迄でかなり体力を消耗しているのですが、山小屋のオヤジさんに聞いたら「ここが五合目と頂上の中間」なんだとか。

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仮眠小屋の白雲荘は3,200mなのであと100mの登攀です。仮眠後にこれまでの行程と同等弱の登攀が出来るのでしょうか。空気はますま薄くなって来ていて、上を見上げたりして首の角度を変えた時にはっきり頭痛を自覚するようになって来ています。二日酔いの時の頭痛に非常に似ています。こんな歳になって未だちょくちょく二日酔いしていてこんな例えをするなんて、馬鹿なオヤジです。

●白雲荘

22時に山小屋白雲荘着。カップヌードル600円を食べて毛布にもぐりこみます。

山小屋ってどんなに満員でも泊めてくれって言ったら必ず泊めるらしいです。この日は枕と枕の距離が50cm位かな。手を下ろしたら腰と腰の隙間に収まらないのでバンザイみたいな格好で仮眠しました。

ここでリタイアする人が2名出たようです。この後も数名の方がリタイアしたようで詳しくは聞いていないのですが1割位の人がリタイアしているようです。

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●大誤算

カメラを入れるスペースが取れず、携帯でしのぐ事にしていたのですが、圏外にいると待受けの状態でも電波を探して電池を激しく消耗するそうです。待受けでも電池を消耗するなんて知らなかった。上の写真は仮眠後の出発前に撮ったものですが、この後1時間ほど後で携帯を出したら電池切れ「はい、さようなら」画面でした。なんとまぁ、ご来光の写真を撮れないのです。

また、ツアーの途中で判ったのですが、五合目の昼食レストラン「雲上閣」である程度の荷物を預かってくれるらしい。それなら帰りの着替えなどを預かってもらえばカメラを持参して登頂できました。

と言う訳で、私が撮った写真は上の写真で最後です。

●登攀再開

17日午前1時に起床。1時半に登攀再開です。道は勾配の急な岩場が続き、激しく渋滞しています。富士山の登山道は一方通行で、登りと下りは別ルートになっており、登りルートを下ってくる人は居ません。それでも高速道路の渋滞に良く似た人の渋滞が延々と続いています。ガイドさんの判断ではこの調子で登ると日の出に間に合わず、登攀途中で日の出を迎えることになるそうです。少し登った地点で下山道を登攀することに変更しました。こ辺のルールは詳しくないのですが、下山道を登ることはルール違反にはならないようです。下山道は軽石の砂利が続き、足がズルズルと滑って登りには適していません。

頭痛は次第に強くなってきます。リタイアを決断する基準を決めておかなければ危険なような気がしたので「吐気」が来たらリタイア。軽い二日酔いの頭痛を越えたらリタイアと決めました。

●登頂成功

4時頃に未だ先は長いと思っていたら突然鳥居が見えて三脚を構えたカメラマンが並んでいて山頂に着いたと知りました。回りの小娘達が「バンザーイ。おめでとう」なんて言ってはしゃいでいます。日の出は4時35分です。

●ご来光

4時頃には東の空の水平線がオレンジ色になっており、次第に明るくなってきます。眼下には雲海から頭を出した山々。オレンジ色の帯の下端に真っ赤な点が出来て線になって弧になって半円になります。感動的です。3,700mで迎える日の出は、地球は美しい惑星なんだな、なんて思わせます。日の出の30分程前から日の出までがとても美しい光景です。

●山頂

山頂は大変な混雑です。登山ツアーバスだけでも100台ほど来ているらしいのでバスツアーだけでも5,000人ほど来ている勘定です。正に身動き出来ない程の混雑でした。

気温は大阪の真冬の気温よりもう少し寒い位です。私は3シーズン用の長袖バイクジャージに使い捨てカイロを貼り付けて、真冬用のパールイズミのウィンドブレークジャージ、その上にモンベルのカッパを着ていても寒くて堪りません。かなり厚手のダウンジャケットが必須のようです。

●下山

5時半に下山開始。

下山道自体は赤茶けた軽石の砂利道が延々と続く単調な道ですが、眼下の光景は並み居る山々を見下ろす中々の絶景です。

ところがどっこい、陽が登るとたちまち猛暑が襲い掛かるので景色を楽しむ余裕はありません。先程まで震えていたのに30分も経たないうちにカッパを脱いで、さらに10分程でウィンドブレクジャージも脱いで真夏の服装に早変わり。今度は熱中症との闘いが始まります。私は近年暑さには特に弱くなってきたので陽射しが強くなる前に下りるべく下山を急ぎます。途中の須走り吉田口分岐点から自由行動になると飛ばしに飛ばして下山して、8時半に五合目雲上閣に帰着。陽の弱い内に下山出来てヤレヤレです。

パックに付いている「ふじやま温泉」と昼食を摂って難波着は22時半でした。

●振り返って

富士山の難易度はこれまでの登山の中では一番の難関です。最大の強敵は高山病。リタイアの人の殆どはこれにやられているようです。予防とか、高山病の薬なんてものは無いようで強いてあげれば心肺能力を向上させるトレーニングを積み重ねる位がその対策でしょうか。私もOさんもかなり悩まされました。

若いってことは驚きです。ズックにジャージ。その辺の公園をジョギングするような格好で登ってしまう人が何人もいました。地下足袋で登っている人も一人見かけました。決して真似はしないほうが良いのですが、若い人は登りきってしまうようです。

富士山の物価は頂上に近付くほど高くなります。トイレは五合目で使用料50円。八合目では200円です。本文でも書きましたが、八合目のカプヌードルは600円。インスタントコーヒー一杯400円。350ml缶ビール500円。「缶ビール500円は絶対お買い得だ」と思ってしまう奇妙な世界が広がります。

富士山の見所は、特にツアーで行った場合はご来光の一点と言い切って良いでしょう。ざくっと言いますと18時から登り始めて夜のうちに登り詰めるので景色は何も見えません。見るのはヘッドライトで照らされた足元だけです。下山はパックの時間のリミットもあり、景色など楽しむ余裕は無くて一気に下ります。また下山道は砂埃が酷くて山を楽しむ状況にはならないでしょうね。物凄い人数の人が、10数cm積もった乾いた砂利道をザックザックと踏み鳴らして降りていきます。

総括すると、日の出は感動的で本当に行って良かった。一生に一度の良い経験をしたけど、一生に一度で良いかな。^^

富士山を登る為に始めた山歩きなんですが、楽しみの一つになりました。富士山は終わったけれども回数を減らしてでも続けたいですね。

最後になりましたけど、Oさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。これからもトレッキングにサイクリングにお付き合い下さい。

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コメント

こんばんは。
富士登山お疲れさまでした。
思った以上にきつかったんでしょうか。
来年辺りは・・・・と密かに思ってましたが、無理そうな気がします。
予定通り温泉組みかな。。。

投稿: 先輩 | 2011年7月18日 (月) 19時15分

こんにちは、mucho66です。冨士山は行ったことはありますが、登ったことはないですね。(車で登れる一番高いところまで)確かに一度は登ってみたいような気がします。3000m級では御嶽山に子供の頃と高校生の頃に登ったことがあります。言われてみると若かったし装備もそれほどのものではなかったような気がします。

投稿: mucho66 | 2011年7月18日 (月) 20時11分

先輩さん、こんばんは!
富士山は、思った以上に難敵でした。
「幼稚園児でも登っている」なんてテレビで紹介されていて、今回も下山時にすれ違いましたけど、登山は小さな子供に有利なイベントのようです。実際は大変です。
高山病が難敵でした。

投稿: breezing | 2011年7月18日 (月) 20時41分

”祝 ” 富士山登頂。

土日で行って来られたのですか、台風前の絶好の好天日に登る事が出来て良かったですね。
お天気男の本領発揮ですね。

日本の山で高山病が顕著に現れるのは、富士山だけですから、有る意味で貴重な体験かと。

日の出の写真が無いのが残念な事ですが、心に深く刻み込まれて、益々登山が好きに成られた事でしょう。

おめでとう御座います。

投稿: RAJYA | 2011年7月18日 (月) 20時52分

mucho66さん、こんばんは!
飲んだ勢いで登ってしまったようなものですが、登山の楽しさを教えてくれたのは思いの他の収穫でした。
高校生とか、大学生らしき人たちは気軽な装備で登りきっているみたいですね。
登山シリーズも続けていこうと思っています。お声掛け下されば大歓迎ですので気が向いたら是非参加下さい。

投稿: breezing | 2011年7月18日 (月) 20時57分

RAJYAさん、こんばんは!
お蔭様で、登頂成功しました!ありがとうございます。
そう言えば、RAJYAさんとご一緒するときは晴天が多いですね。この一年は週末の晴天確率も高いような気もします。
高山病は二日酔いに似ていて、登っている時は苦い思いでした。良い歳してつい最近もこんな事ありました。^^;
仰います通りです。写真は無いのですが何だか胸の深いところに焼きつきました。山がより一層好きになりました。
ありがとうございます。また、宜しければ山にもご一緒させて下さい。

投稿: breezing | 2011年7月18日 (月) 21時21分

breezingさん、こんばんは。
富士山登頂、おめでとうございます。素晴らしい!
高山病、大変だったようですね。ご苦労様でした。
RAJYAさんが仰るように「日本の山で高山病が顕著に現れるのは、富士山だけ」とのことですので、ある意味得がたい体験だったんですね。
私も時間や気分に余裕が出来たら、トレッキングや山登りもしてみたいとは思うのですが、暫くは自転車で精一杯だと思います。
また、自転車、お付き合い下さい。
では。

投稿: topcym | 2011年7月18日 (月) 22時58分

何度もすみません。
しかし、写真が撮れなかったのは、何とも残念ですね。
富士山のご来光等の写真、是非、見てみたかったです。
でも、一番残念に思ってらっしゃるのは、breezingさんですよね。
心中お察し致します。

投稿: topcym | 2011年7月18日 (月) 23時03分

登頂成功、おめでとうございます!!
近々一献傾けながら、いろいろお話聞かせてくださいな。

投稿: まあとりあえず(みや) | 2011年7月19日 (火) 21時21分

topcymさん、こんばんは!
ありがとうございます。
高山病は、貴重な体験ですが、症状はしょっちゅう体験してます。^^;
山歩きをしたくなったときは是非ともお声掛け下さい。良いものですよ。特に秋なんか、もう、きっと涙しながら歩くに違いない。^^
自転車も引き続きよろしくお願いします。
写真は残念ですが、これからも素晴らしい光景は目白押しにやってくる予定ですので済んだ事よりもこれからのことに忙しいです。Oさんに「シアワセなオッサンや」って言われてます。

投稿: breezing | 2011年7月19日 (火) 22時35分

みやさん、こんばんは!
ありがとうございます。
良いですね。是非とも一献傾けながら、Oさんに謎の写メールの説明責任を果たしてもらいましょう。^-^

投稿: breezing | 2011年7月19日 (火) 22時38分

富士登頂、お疲れ様です。おめでとさんです。
私も一度登ってみたいのですが、人数と高山病が問題ですね。先週の土日は日よりも天候も良かったのは解るのですが、身動きできない程ですか。なんか余計に息苦しくなりそうですね。

自転車から登山の記事が増えたのはこれが目的でしたか。着々と山登りの足を鍛えていたんですね。ならいっそ自転車登山もいいですよ。

投稿: EDO | 2011年7月21日 (木) 20時22分

EDOさん、こんばんは!
ありがとうございます。
7月の3連休は1年で一番混雑するそうです。
7,8月で3連休はこの海の日からみしかないからでしょね。
50歳前後の人が登るのならトレーニングは必須と聞いたので楽しみ半分と言いますか、楽しみ殆どで登っていたのですが、事前に登っていて良かったです。自転車とは使う筋肉が大分異なりますね。
自転車登山もとても良いのですが、私の脚ですと、登れる山が限られますね。金剛山と槙尾山位。^^;

投稿: breezing | 2011年7月23日 (土) 22時49分

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