火器

2012年11月19日 (月)

SOTO ST310

冬場の山歩きでの楽しみの一つは、お昼の暖かい鍋料理です。

頂上の寒気の中、絶景を眺めながら暖かい鍋をつつくのは、実に良いものですが、去年、この楽しみに目覚めて一つの壁に突き当たりました。

バーナー(登山家達はストーブということが多い)がドロップアウトと言う現象を起こして火力を殆ど失ってしまうのです。ガスストーブは一般的にボンベの中で気化したガスを燃焼させるのでボンベの中が気化熱によって低温化してガスに揮発できなくなってしまう訳です。

愛用のジェットボイル(以下J.B.)は、特にこの現象に弱いようでちょっと冷え込む所で使うと、てき面にこの現象に見舞われます。あれこれ調べて見て新たに購入したのがSOTOのレギュレータストーブST310

これ、昨日の金剛山で試用した結果では良いです。実に良い。

昨日は気温4度(推定)、水温10度(推定)、のコンディションで延べ1.5L程(推定)の水を沸騰させたのですが、一工夫しただけで問題なく沸騰させることが出来ました。延べ10分程度の時間です。

詳細はドロップアウトに関するちょっとした薀蓄から。

今の市場で最有力視されているドロップアウト対策は、ガスの原料を寒冷対応にしてしまう方法です。ガスストーブに使われるガスは以下の3種類。

種類       沸点

ブタン       0度

イソブタン   -10度

プロパン   -40度

家庭用のカセットコンロのボンベに入っているのはブタン100%で、イソブタン、プロパンの含有量が増えるほど寒冷仕様になり値段も高くなります。プロパンは気圧が高くてアウトドアでの使用を前提にしたボンベではプロパン100%を実現するのは現実的ではない。(とても高いボンベだけど有るには有るらしい)

J.B.のボンベはイソブタンとプロパンの混合で普通は極寒地仕様と言われる物なのですが前述の体たらくで、近畿の山、標高1,000~1,800m程度の山の冬で使えるストーブを探してST310に至りました。

このストーブ、「マイクロレギュレータ」なる機構が装備されて寒冷に強いとうたわれていますが、これはボンベの気圧に応じてガスの噴出量を自動調整するもので、根本的に気化熱をボンベ内で発生させない「液出し」方式とかボンベを暖める「パワーブースター」とかとは違ってドロップアウトを延命するだけなのですが、良い仕事をしてくれました。私のような使い方なら、10分間燃焼したら充分に必要を満たすと言う事のようです。結果的には市場の有力対策「ガス改善」をSOTOの提唱する新機能「マイクロレギュレータ」が凌駕しているってことでしょうか。

昨日の金剛山で使用したボンベは家庭用のブタン100%缶なので、寒冷地用のパワーガス(ブタン・プロパン混合ガス)なら更に良い結果になりそうです。

因みに、上述の一工夫とは100円均一で売ってるペットボトルクーラーに使い捨てカイロを入れてボンベに被せただけです。(勿論、暖かい時にこんな事したら爆発するかも知れないのでやりません。)5~6分程使うとボンベがキンキンに冷えて火力が落ちてきたのでこの対策を施したら復活しました。

12月に、紀泉アルプスを予定しているのでST310の活躍が楽しみです。

蛇足ですが

●極寒地仕様のボンベを使っているJ.B.が何故低温に弱いのか?の確たる答えは出ていないのですが、ボンベの容量が小さいのが原因のような気がしています。氷1個をジョッキに入れるよりもコップに入れた方がより冷たくなるのと同じかな。J.B.のボンベは105g。ST310は240g。

●燃焼中のストーブ、ボンベを動かすのはとても危険です。ボンベの液面が揺れて生の液がストーブに流れてしまうからです。上記のペットボトルクーラー対策は消火してからやってます。

●日本で販売されている液出しシングルバーナーはスノーピークの剛炎 。火力は8,500kcalとありますからJ.B.の8倍の火力!38,000円なり。一体だれが、何に使うんだろ?でも、ちょっと欲しい。

あと、J.B.のヘリオスも液出し可能みたいだけど、国内での販売では液出し可能とは明言していない。ポットとセットで22,900円なり。

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